双極II型障害と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極II型障害と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

毎年2,450億円の損失

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ぼくとうつ病との付き合いは約10年になる。10年前はこの病気は「心の風邪」と言われていた。(今もそうかもしれない。)

しかし実際に罹患している者の一人として思うのだがこの病気は「風邪」というにはあまりにも重すぎる。恐らくこの言葉を使い始めた人は「特別な人ではない、誰しもがかかりうる病気」ということを強調したかったのだろうが我が国において毎年の自殺者数が30,000人を超えるようになり。彼らの80%はうつ病を患っていたことを考えるとその経済的、並びに社会的損失はとてつもなく大きいと言える。少子高齢化が進むこの国において働き盛りの人間を失う、もしくは働けなくなるというのは非常に大きな問題であり、「風邪」とは比較にならないほど重たい病気だ。

この病気はまだ発症する原因は明らかになっていない。モノアミン仮説(脳内ホルモンのうちセロトニンノルアドレナリンドーパミンがストレス等の理由により欠乏するために起きるという仮説)は有力だがそれでもうつ病の症状すべてを説明するまでには至っておらず、その他にも遺伝仮説、幼少時のトラウマ、(個人的な感情としてはこれらの説に対しては強い拒否感を覚える。あきらめなさいと言うに等しいではないか!)、脳血管障害、海馬の萎縮説などざまざまなことが挙げられている。

さらにこの病が厄介なのは風邪やインフルエンザと違い、治癒までに年単位の時間がかかること、その間患者は気分の激しい浮き沈みやその他の症状(集中力の欠如、記憶障害、摂食障害、身体各部の疼痛、など)に苦しまなければならない、ということだ。患者が「死にたい…」と言う時、それは「弱音」ではなく「本音」かもしれないのだ。

しかし残念な事に社会でのうつに対する認知は思っているほど進んでいない。ぼくは職場で「うつを免罪符にしている。」と陰口を言われた事がある。(幸いぼくの英国人上司はうつに対して理解がある人だ。)これは「うつは怠けだ!」というのと同じで患者を「言葉で殺す」事が出来るほど患者を追い込むものだ。

このように苦しんでいる患者がいるにもかかわらず、なぜ国はうつに対する研究に対してもっと予算を裂き、援助をしないのだろう?日本ではシステムの煩雑さから外国で承認された薬や治療法の認可が非常に遅いあまり、海外の製薬会社や研究機関がコストがかかる、という理由で日本での申請を見送る、というケースも多い。そのために最新の治療法に保険が適用されずただでさえ仕事を続けられなくて貧困に苦しむ患者がその治療や薬の恩恵を受けることができないでいる。

ぼくは政治的には中立を心がけている。ただしいわゆる無党派層とも一線を画している。つまり、ぼくにとっての一番重要なことを政治において重要視(それがその候補にとって一番重要なことでなくてもいい。しかしせめて三番目ぐらいであってほしい。)してくれる候補者を選ぼうと思っている。ところが残念な事に日本は欧米に比べ有権者候補者の距離が遠い。ぼくがアメリカにいた頃、地元の議員から誰でも無料で参加できる政治報告会のダイレクトメールがよく届いた。しかし日本ではそんなことは皆無だ。選挙の時に「お願いします。」と選挙カーから言うだけで有権者と直接話をする集会を開催する候補者や議員は聞いたことが無い。やってもせいぜい身内(支持母体)との会合や「パーティー」という名の資金集めぐらいでただの慣例行事にすぎない。

もし国が国家レベルでうつへの対策に取り組めば、この病気が本当の意味で「風邪」レベルに治癒出来るようになるのではないか?かかったとしても1ヶ月程度で治るようになるのではないか?とぼくは思う。それも10〜20年のうちに。1日も早い政治家たちの真剣な取り組みを切に願う。

ちなみに、我が国はOECD加盟国の中でうつ病による自殺が群を抜いて最も多く、うつによる経済的損失は毎年2,540億円にのぼっている。これは直接的な損失だけである。実際にはそれによる家族や友人、企業の分を含めると1兆円を超えると言われている。

もし彼らが職場復帰できればその損失がなくなるだけでなく、生産活動が増えることになり逆にGDPの増大にもつながるだろう。そうなれば世の中はかなり変わってくるのではないだろうか。

最後に、ぼくの願いはぼくが味わってきた経験を1人でも多くの人が「経験しない」ことだ。そしてこのブログの目的は「うつ病は今や誰でもすぐに完治する時代となり、もう何も書くことがないので終わります。ご愛読ありがとうございました。」という日が来ることだ。