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双極II型障害と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極II型障害と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

躁状態のパワー 中島らも氏の父君

躁状態は人生を破滅させる可能性が高いのですが、ときとしてこんなこともあります。

以下は故中島らも氏の回想録にある、中島氏の父君の話です。

 

おれが六歳か七歳のときに、兄貴と二人で庭で遊んでいると親父が急にスコップを片手にやってきて、高らかに宣言した。

「今からここにプールを作る。」

あっけにとられているわれわれ兄弟を尻目に、一人でザックザックと庭を掘り始めた。

断っておくが、おれたちは「プールが欲しい。」などとは一言も言ってはいない。親父自身が突如として、なんの前触れもなくプールを作りたくなったようなのだ。

おれたちにすれば「変なことをしているな。」としか思えなかったのだが、それでも親父は一人で穴をほって、セメントを流し込み、排水口まできちんと作って、一週間ほどでプールを作り上げてしまった。

プール付きの家に住んでいた、と人に大威張りできるほどの大きさでは無論ない。それでも子供にとっては十分な広さで、おれがスポーツの中で唯一、水泳が得意なのもこのプールでの鍛錬があってこそのものである。長じておれはダイビングするようになるが、このプールがそもそものきっかけだったとも言える。

おれたち兄弟がプールの中ではしゃぎまわる姿が、親父にとっては嬉しいものだったのだろう。勢いに乗ってプールの横にローラースケート場まで作り出した。これも親父が急に作りたくなったのである。

とてつもないパワーである。今にして思えば。躁病のなせるわざであろう。

中島らも「心が雨漏りする日には」より)

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 双極性Ⅰ型障害、双極性Ⅱ型障害両方共、躁状態(Ⅱ型の場合は軽躁状態)のときに、人並み外れたパワーを出すことがあります。これが悪い方向に働くと人生の破滅をもたらすこともあるのですが、環境に合った建設的な方向に働くと、それは大きな業績を残すこともあるのです。

 

ちょうどアスペルガー症候群の人が芸術的方面などにずば抜けた才能を持っているのと同じかもしれませんね。