双極II型障害と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極II型障害と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

双極性障害とは何か?(改訂版)

みなさんこんにちわ。ごきげんいかがでしょうか?マイクです。

御存知の通り、ぼくは双極II型障害です。

双極II型障害って何?」という方も、すでにご存知の方も、今日は双極性障害について追記したので、読んでいただければ幸いです。

最近、双極性障害、特に双極II型障害に罹患している人が増えています。自分では気づかなくても罹患している事が多いのがこの病気の特徴です。みなさんの周りにもいらっしゃるかもしれません。

双極I型障害と双極II型障害

双極性障害は、躁状態を伴う双極 I 型障害(bipolar I disorder)と、軽躁状態を伴う双極 II 型障害(bipolar II disorder)に区分されます。昔は双極I型障害のことを、「躁うつ病」と呼んでいました。

躁状態、またはうつ状態躁状態の症状が混ざって出現する混合状態(混合性エピソード。躁状態うつ状態が混合したもので自覚的には心はハイになっているのだが体がついて行かない、または逆、等の症状が見られる。)が生じる場合もあります。躁状態、またはうつ状態、あるいは混合状態が1回認められれば、双極 I 型障害と診断されます。

躁状態、軽躁状態うつ状態、混合状態

躁状態(躁病エピソード)

躁状態とは、気分の異常な高揚が続く状態のことです。躁状態の初期には、患者は明るく開放的に感じますが、症状が悪化するとイライラして怒りっぽくなる場合もあります。自覚的には、エネルギーに満ち、快いものである場合が多いのですが、社会的には、高額な買い物、見込みの全くない事業への投資等で離婚や破産など種々のトラブルを引き起こすことも少なくありません。

双極性I型障害を患っているぼくの友人は3000万円のフェラーリを突然買って驚かせたことがあります。

アメリカ精神医学会によるガイドラインDSM-IV-TRによる躁状態の診断基準は、以下の症状がAを含む4つ以上みられる状態が1週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることとしています。

A. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的で、またはいらだたしい、いつもとは異なった期間が少なくとも1週間持続する。
B. 自尊心の肥大: 自分は何でもできるなどと気が大きくなる。
C. 睡眠欲求の減少: 眠らなくてもいつも元気なまま過ごせる。
D. 多弁: 一日中しゃべりまくったり、手当たり次第に色々な人に電話をかけまくる
E. 観念奔逸: 次から次へ、アイデア(思考)が浮かんでくる。具体的には、会話の途中で、次々と話が飛ぶことなども含まれる。
F. 注意散漫: 気が散って一つのことに集中できず、落ち着きがなくなる。
G. 活動の増加: 仕事などの活動が増加し、よく動く。しかしこれは破壊的な逸脱行動にも発展しうる。
H. 快楽的活動に熱中: クレジットカードやお金を使いまくって旅行や買物をする、物質的、性的逸脱行動に出る。

うつ状態(大うつ病エピソード)

双極性障害うつ状態は単極性のうつ病と症状は似ており、完全に区別はとても難しいくなります。うつ病と異なり、効果の強い抗うつ薬の処方は躁転(とつぜんうつ状態から躁状態へ変化すること)させる危険性が高いため、出来るだけ処方を控えるようになってきています。
特に、三環系抗うつ薬と呼ばれる古いタイプの抗うつ薬では、躁転、急速交代化など、悪化する恐れがあるため、注意が必要です。ぼくも経験がありますが、気分が良くなる、というよりすごくイライラする、といった不快な感じでした。

双極性障害うつ状態は、単極性のうつ病に比べると、難治な傾向があります。

DSM-IV-TRによるうつ状態の診断基準は、以下の症状がAまたはBのどちらかを含み、他の5つ以上みられる状態が2週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じること、されています。

A. 抑うつ気分
B. 興味、喜びの著しい減退
C. 著しい体重減少、あるいは体重増加、または、食欲の減退または増加
D. 不眠または睡眠過剰
E. 精神活動の焦燥または抑止
F. 疲労感または意欲の減退
G. 無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感
H. 思考力や集中力の減退、または、決断困難がほとんど毎日認められる
I. 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図するためのはっきりとした計画

双極性障害うつ状態躁状態が、症状のない寛解期をはさみながら繰り返していくことが多いようです。(うつ状態寛解期→躁状態寛解期→うつ状態躁状態あるいはうつ状態から次のエピソードまでの間隔は平均して数年間です。

混合状態(混合性エピソード)

うつ状態の特徴と躁状態の特徴の両方がミックスされた状態です。「行動は増えているのに気分はうっとうしい」という場合が多いため、衝動的になり自殺の危険が高くなります。DSM-IV(またこれですが)診断基準では、混合状態が出現した場合、双極 I 型障害と診断されるらしいです。

近年、DSM-IVの混合性エピソードの診断基準を完全に満たさなくても、ある程度躁症状とうつ症状が混在していれば混合状態と見なすという立場もあり、焦燥が強いうつ状態抑うつ混合状態と呼ぶ場合があります。
その場合は、双極 II 型障害でも混合状態が見られることになります。DSM-IV-TRによる混合状態の診断基準は、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準が1週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることとなってます。

躁状態双極II型障害

躁状態とは、上記の躁状態ほど破壊的ではなく、自覚としては、「今日はいつもより調子がいいな。」と思う程度の躁状態で健常者でも普通にありえることです。

うつ状態と軽躁状態のみが認められる場合を、双極 II 型障害といいます。軽躁状態は、患者や家族には病気とは認識されにくいので、自覚的には反復性、難治性のうつ病であると考えている場合が多いのです。ぼくもそうでした。

ざっくりとですが、健常者の気分の波が

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上のような感じだとすると、双極性障害Ⅰ型の場合は、以下のようになります。

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健常者に比べて気分の波の浮き沈みが大きいことがわかりますね。躁状態うつ状態のときの差が激しく、躁状態のときとうつ状態のときは人が変わったように感じます。

それに比べると双極性障害Ⅱ型の場合は、こんな感じです。

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ほんとにざっくりとで申し訳ありません。双極性障害Ⅱ型はうつ状態のときはうつ病と変わらないぐらい落ち込みますが、軽躁状態では気分が人が変わるほどには上がりません。先程申し上げた、「今日はなんだか調子がいいな。」程度です。

症例によっては特定の季節に再発を繰り返すこともあり、軽躁状態うつ状態の期間は数週間から数ヶ月と人様々ですが、うつ状態から急に躁状態になること(躁転)もまれでなく、何かをきっかけとして一晩のうちに躁転することもあります。

双極II型障害の診断は専門家であっても難しいとされています。とくに、普通のうつ病から、双極II型障害うつ状態を鑑別することは経験を要します。
若年発症では、最初のいくつかの主訴はうつ状態である可能性が高く、双極性障害の診断は躁または軽躁状態を必要とするため、多くの患者は最初の診断および治療ではうつ病と診断されることが多いのです。

ぼくも最初はうつ病と診断されていたのですが、双極II型障害と診断されるまで10年かかりました。それぐらい区別が難しいものなのです。

双極性障害Ⅰ型と双極性障害Ⅱ型の違い

さきほどの波の高さの違いの他に、双極性障害Ⅰ型とⅡ型の違いは何でしょう?専門的には色々な違いがあるのですが、話が難しくなるので、簡単に言うと、

Ⅰ型の躁状態は破壊的だがⅡ型は社会的に受容可能な程度である

ということが出来ます。

例として

Ⅰ型は長時間の連続性がある作業(文章を書く、何かの組立作業を行う、など)が出来ないのに対して、Ⅱ型はできる。むしろ執着的になることもある。

Ⅰ型は会話が支離滅裂(急に話が飛ぶ)だが、Ⅱ型はそれがみられない事が多い。

だたしまれにⅡ型でもあります。しかしその仕組はI型とは異なります。

Ⅱ型の人はIQが高い人が多く、「一を聞いて十を知る」能力に長けている人が多いのため、一から十まで順を追って話ができない人が多いそうです。(ぼくもそうですが、一から十まで順を追って話をしたり、されたりするとイライラしてきます。)それ故に最初の話の次にいきなり結論が来るので普通の人から見ると「話が飛ぶ」ように思われます。

しかしだからと言ってⅡ型はⅠ型より問題がないのか?というと、Ⅱ型の人は躁状態からうつ状態(もしくは逆)の時にⅠ型より衝動性が高くなり、リストカットなどの自傷行為のリスクが高くなります。これは自分が「調子がいい。」状態からうつ状態にいつ転落するか、という恐怖心をどこかで感じているためです。

これをさけるためには自分の状態を客観的に把握するための生活記録をつけるなどがおすすめです。これは簡単なものでよく、ぼくは毎日感情を数字で、「えいやー」でつけています。(以下の表参照)

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それを主治医に診察日に見せてます。また、家内にも協力してもらって「ぼく、なんかハイかな?」とか聞いています。

うつ病性障害(うつ病)との違い

躁状態から病気が始まれば双極性障害と診断可能なのですが、大体の人は躁状態(特に軽躁状態)のときは病識(自分が病気だという意識)がありませんからうつ状態になったときに初めてクリニックを受診することが多いです。ぼくもそうでした。その場合には、当然うつ病と診断されることになり、明瞭な躁状態あるいは軽躁状態が現れるまでは適切な治療が行われないということになります。それほど双極性障害は、診断が難しい病気なんです。

また自覚的にはうつ病であっても、親が双極性障害を持っている場合は、双極性障害の可能性があります。(ただ、100%遺伝するかというとそういうわけではありません。可能性がある、というだけです。)

病前性格うつ病に特徴的な執着性格(物事にこだわる気質)やメランコリー親和型性格(ざっくりですが、責任感が強い気質)とは異なり、社交的で気分が変わりやすい傾向(循環気質)が見られるとされてきましたが、最近の研究では執着性格やメランコリー親和型性格でも双極性障害は発症しているとの報告があります。

他の障害の併存

双極性障害では併病 (comorbidity) も多くなります。双極 II 型の場合、50 - 60%の確率で併病が認められ、2つ以上であることもまれではないといわれています。併病として多いものには、

  • アルコールや薬物依存 約30%
  • 過食症やむちゃ食い障害 13 - 25%
  • パーソナリティ障害(特に境界性パーソナリティ障害) 30 - 40%
  • パニック障害などの不安障害
  • その他としては、ブリケ症候群(いわゆる「ヒステリー」)
  • 身体化障害 
  • 月経前緊張症候群、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) などもあります。
  • 統合失調症
  • 発達障害
  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)の患者の11%が双極性障害を合併しているとのデータがあり、併発も報告されています。
  • 物質使用障害
  • 覚醒剤などの薬物乱用
  • 薬剤の副作用

SSRIの中止後の離脱症状でも顕著な不快気分や焦燥がみられます。
また、三環系抗うつ薬は副作用により幻視が見られることもあります。

原因

双極性障害の原因はまだ解明されていません。先に挙げた「遺伝説」が有力ですが必ずしもそうとは限らず、今後の研究が期待されるところです。
(患者の一人としては、なんとかしてほしいもんだ、と思いますが・・・。)

治療

  •  躁・うつの再発を予防するための気分安定薬と呼ばれる薬剤を中心とした薬物療法
  • 再発をコントロールしたり再発の兆候をモニターするなどの疾患教育(心理教育)
  • 対人関係のストレスへの対処や社会リズムを一定に保つことを目指す対人関係社会リズム療法 (IPSRT)

 

などの心理社会的介入が治療の中心となります。寛解後も定期的なフォローアップが必要です。何故かと言うとこの病気は再発率が高い(なんと90%!)為、一生涯の予防とコントロールが必要となるからです。

第一に、躁状態(軽躁状態を含む)やうつ状態が「病的なものである」と認識し、生活習慣を変修正する必要があります。本人は、躁状態を心地良く感じ、病気であると思わないことや(なんと躁状態に戻りたいとさえ考える人もいるぐらいです。何故かと言うと本人にとってハイな状態は「心地よい」ものだからです。)、家族や友人、会社の同僚などの周囲の人も、躁状態での言動を「本人の性格」、などと解釈して嫌悪したり、うつ状態のことを「怠け」などと解釈することがあります。そしてその状態が繰り返されることを「気分屋」として片付けてしまいます。

しかしこのような姿勢を取っている間は、安定した治療継続は困難であり、家族からの協力も得にくくなります。そのためまずは病気であるという認識(いわゆる病識)を本人や家族が得る必要があります。

また重要なこととして、

  • 再発を繰り返す可能性のある慢性疾患であり、長期的治療を必要とすることを認識する。
  • 例えば糖尿病・高血圧などの慢性疾患のように、完全に治癒(服薬が必要ない状態)することはなく、最低2年間の服薬継続が必要。
  • 再発の兆候を早期に発見する方法を医師と相談するようにし、再発につながりやすいストレスを予測し、ストレスの乗り越え方(ストレスマネージメント)を考える。認知行動療法などの併用等(注意:カウンセリングはあまり有効性は高くないと言われています。)
  • 規則正しい睡眠時間を確保する。
  • アルコールや、その他の精神作用物質の摂取を避ける。 
  • 生活習慣の改善は、永続なものとなりえることを認識する。

ことが挙げられます。

 支援

障害の程度などに応じて、精神障害者保健福祉手帳2級ないし3級の取得が可能です。また、精神障害者自立支援による医療費負担の1割への低減、市町村による精神障害者医療費負担減免などの支援が受けられます。
これは絶対受けるべきです。かかる医療費が全然違ってきます。

終わりに

ぼくの体験では、双極性障害Ⅱ型は自分の状態を客観的に把握しておけばそんなに怖くはないと思います。個人的には抑うつ状態のときは以下のことに気をつけるようにしています。

重要な決断は先送りする。

これはうつ状態のときはどうしても悲観的に物事を考えてしまうので重大な決断や先送りできることは先送りしています。

将来のことを考えすぎない。

自分の人生の将来についても悲観的に思えることがありますが、これも悲観的に考えてしまうのであまり将来のことも考えないようにしています。つまりわざと「近視眼的」に考えるようにしています。

他人の目を気にしすぎない。

うつ状態になると、どうしても他人の評価が気になり、しかもマイナス評価していると考えてしまいます。それゆえ、他人のことはあまり気にしないようにしています。もちろん、常識的なマナーはわきまえますが…

他人は自分が思っているほどあなたのことを気にしていません。例えばある人が靴を左右反対にはいて表通りを歩いて何人の人が気がつくかを調べたところ、200人中2人だけでした。

まあ、こんな感じです。かなり長くなり申し訳ありません。おつきあいくださり、どうもありがとうございました。

今回の記事の参考書です。ちょっと難しいですが・・・。

 

それでは、また。