双極II型障害と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極II型障害と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

加筆と再投稿:患者の果たす役割について

うつ病にせよ双極性障害にせよ、医師だけの努力では治療はうまくいかない。そこには患者側の役割も重要なものとなる。何故かと言うと主治医と患者と周囲の人たちのチームワークによって初めて治療は前に進むからだ。

特に入院や休職中の患者にとっては「休息」が第一に求められる。

しかし時には患者にとって、「何もしないこと」が後ろめたい気分を生み出すことがよくある。ぼくもそうだったが「何もしない」ということが「自分の社会的価値を無意味なもの」と捉えてしまいやすいからだ。とりわけ双極性障害II型の人が軽躁状態になっている場合、深刻なジレンマに陥ることがある。気分は活動的であるにも関わらず、何もしない、というのが社会に対する後ろめたさや自分の存在価値が失われたという思いにつながるからだ。

ぼくの経験だが、ぼくはこの状態から主治医と聖書のことばから脱出することができた。それは、

「自分の価値は『自分は何かできるか?』で決まるのでははなく、『自分はどのような人間か?』ということで決まるのだ。」

ということだった。

これに気づいてからぼくはゆっくり休息することができるようになった。以降、治療が劇的に進むようになった。寝たきりから普通とまではいかなくてもなんとか社会生活をおくれるようになった。

話を元に戻すが、患者としての役割とは、ふたつの要素から成り立っていると思う。それは

  • 仕事や学業の免除(義務の猶予)
  • 回復に向けた努力(行うべき義務)

というものだ。

具体的にはうつ病双極性障害の患者の側に求められる義務は以下のものが挙げられると思う。

  • 睡眠覚醒リズムの確立
  • セルフモニタリング(自分の状態を把握)
  • 適度な作業と運動
  • 服薬ルールの遵守とその飲み心地、体調や感情の変化の主治医への報告

最後の服薬以外は全て「健全な生活リズムの確立」につながったものだ。これは服薬以上に重要なことで、いくら薬を変えてもこれが確立しないと薬の効果は現れない。これは患者が行うべき「義務」なのだ。

ぼくの個人的体験になるが、生活リズムを確立するために最も重要なのが、睡眠覚醒リズムの確立だ。しかしこれは不眠に苦しむ(かつてぼくがそうだった)患者にとっては非常に難しい課題となる。何故かと言うと頑張って食べることはできても頑張って眠ることはできないからだ。

そこで必要になるのが適量の睡眠薬だ。薬の助けを借りて睡眠を確保することになる。睡眠薬にはベンゾジアゼピン系のものが多いので依存性や耐性を気にするあまり服用をためらう人がいるが、主治医の指示通りに服用している限り問題はない。

睡眠薬である程度眠れるようになったら、あるいは睡眠薬なしでも多少は眠れるのであれば、以下のことに気をつけることが重要となってくる。

  • 朝決まった時刻に起床する。
  • 日光を浴びる。部屋のカーテンを開けるだけでもいい。
  • 昼間は寝ないことを心がける。もしどうしても耐えられない場合は15分、それでも辛い場合は1単位(90分)にとどめる。
  • 夕方4時以降は昼寝をしない。
  • 午後2時以降のカフェイン(コーヒー、炭酸飲料)など覚醒作用のある物質の摂取をしない。
  • アルコールを控える。アルコールは巷で言われていることとは正反対で眠りを浅くする作用がある。また、アルコールはほとんどの向精神薬の効き目を強くしすぎてしまい、薬への耐性がつきやすくなる(効かなくなる)特に女性に多いのだが、アルコールに頼らないと眠れない、という人にとってはかなりハードルが高いかもしれない。しかしその場合は主治医に相談しながら減酒、断酒を進めてほしい。
  • 決まった時刻に就寝する。

次に適切な運動だが、これは無理な運動でなくても大丈夫。例えば家の周りを散歩する、程度のことで構わない。それだけでも脳の睡眠覚醒リズムが整ってくる。

セルフモニタリングについては難しいものでなくても問題ない。ぼくは手帳のカレンダーに星印の数でその日の調子を書き込んでいる。もし自分で出来ない場合は家族など周囲の人にやってもらうといいかもしれない。

最後に服薬だが、臨床医に聞くと彼らが最も困っているのは「言うことを聞かない患者」ではなく、「嘘をつく患者」だそうだ。つまり処方された薬を飲まなかったのに飲んだ、とか指示通りに飲んでいないのに飲んだ、という患者等は本当に困るらしい。何故かと言うと主治医は処方したとおりに患者が薬を飲んでいると信じて治療方針を決める。しかしそれが実際に正しく服用されていないとなるとそれは主治医の治療判断を大きく狂わせてしまうことになる。それによって一番困るのは患者自身だ。

困ったことにそういう患者に限ってこう言う。

「今の主治医は信頼できない。」

強い副作用等で薬の服用が出来ない場合もある。(ぼくもパキシルを処方されたときがそうだった。)しかし服用しなくても次の診察の際に「これこれで服用できなかった。」旨を伝えるべきだろう。

主治医と患者の二人三脚、これが精神疾患治療のスタイルです。患者も治療のためにしっかりと義務を果たすこと、これが治療を前にすすめる原動力となっていくと思う。