双極性障害2型と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極性障害2型と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

変えられるものと変えられないもの ー 吸収力ー

今日は休暇をとった。体調不良などの不本意な休みではなく、計画的に休暇を取ったのは何ヶ月ぶりだろう。ジムも今日はお休みしてのんびりと過ごしている。

最近は自分にあった薬の処方が見つかり、忙しいながらも休まずに出勤できている日々が続いている。

ぼくが双極性障害Ⅱ型で失ってしまったものその2。それは吸収力だ。

はじめに

まず最初に皆さんにお聞きしたいことがある。これはぼくが新入社員の時、元NHK松平定知アナウンサーを講師として招いて受けた講習で、松平氏はぼくたちにこのような質問をされた。

「自分が思っていることを相手に話した場合、その内容を相手が理解する事ができる量は全体の何%だと思いますか?」

答えは

7%

だった。

これには驚いた。実際、人間関係は相互にわかり合っているようで実はそうではないらしい。これを念頭に置いて今日の記事を進めていきたい。

吸収力とは?

吸収力とは仕事をこなしていく上で

  • 「記憶力」
  • 「理解力」
  • 「物事の流れの消化力」

から成り立っていると思う。

つまり、

吸収力=「見たり聞いたりしたことをしっかりと自分のものとして落とし込む力」

だと思う。

薬の副作用?落ちてしまった記憶力

双極性障害Ⅱ型を発症してから最も衰えてしまったと感じるのはこれだ。一度聞いたことを覚えられない。そして何回も同じことを聞いてしまう。挙句の果てには

「マイクさんは同じことを何回も聞いてくる。」

と言われるようになった。

ぼくは昔はそうではなかった。むしろ飲み込みは早い方だと言われていた。しかし長年飲んでいるベンゾジアゼピン系の安定薬、睡眠薬などの副作用(ベンゾ系は記憶力を司る海馬の活動を鈍らせる。)で働かなくなってしまったのかもしれない。

あと加齢のせいもあるか・・・。(^o^)

職場ではみんな忙しい。自分のことで精一杯だ。一度だけなら質問も許されるだろうが、同じ質問をすると、「それ、さっきも言いましたよね?」と言われてしまう。そんなことのために費やす時間はみんな持っていない。「仏の顔も三度まで」と言うが、「職場の人の顔は一度まで」なのだ。

話し合い、会議編

メモを取る癖

衰えてしまった記憶力を元に戻すには双極性障害Ⅱ型を完治させればいいのだが、それは今の医学では不可能だ。となると衰えてしまった分を補助するしかない。

普通の人が考えるのは「メモを取る」ことだろう。最初はぼくも同じことを思った。そして今もやっている。だがぼくの場合、これだけではダメだった。

メモの欠点

メモは確かに大切だ。しかし効果は思ったほど上がらなかった。

メモを見ると相手の言ったことは確かに書き込まれている。だがそれを後から読み返しても理解できないのだ。

特に会議に出席しているときがそうだった。会議の内容をメモしてあるのだが、それがどういう内容だったのかさっぱりわからない。これでは全く意味がないではないか!

改善した点

試行錯誤した挙句、ぼくはあることを試してみた。とは言ってもそんな大げさなことではない。

やったことはただ一つ。相手に(会議の場合は議長に)、以下のことを言っただけだ。

「わたしの理解に間違いがあると困るので確認させてください。内容はかくがくじかじかで合っていますか?(特に、何を、いつまでに?はしっかりとおさえる)」

会議の場合では、

「本日の決定事項、確認すべき事項と担当者と締切はこれで合ってますか?」

でもこれを言い出すのは度胸がいるんだよね。特に会議では、「なんだ、お前今まで何聞いていたんだ!」と怒り出す人(特にお偉い人たち)がいるから。しかし意外と参加しているメンバー全員が同じ理解を共有していることは逆に稀だ。実際、ぼくが会議でこの発言をして議長が答えたところ、「いや、俺はそんな風には思っていないぞ!」と言い出すやつがかならずいる(だいたいそういう人はさっきの「何聞いてたんだ!」と怒る人が多い)。これが最初に述べた「人間の理解力は7%」たる所以だ。むしろこの質問が皆の意思統一の助けとなることは多い。

この一言で話し合いの内容が自分の言葉に置き換えられる。人間は自分の言葉で理解したことはなかなか忘れにくい。

それをその日のうちにまとめと清書しておくのだ。こうすると、

  1. 話し合いの時
  2. 内容確認の質問をした時
  3. 清書した時

の3回聞くことになり、しかも後の2回は自分の言葉に置き換えられているため、忘れにくいものとなる。「自分の言葉による置き換え」は7%の理解を70%を超えるものと変えるらしい。

ぼくはこの清書したものをメーラーの中に「テーマ名+打ち合わせ記録」というフォルダを作ってその中に「○○についての打ち合わせ記録+日付」というファイル名で保存している。なぜメーラーかというと、仕事柄メーラーは一日中開きっぱなしですぐに読むことができるからだ。フォルダ名とファイル名はひと目でそれとわかるように出来るだけ具体的に書いている。その分名前は長くなるけどね。

メール編

ぼくはメールを読むのが苦手だ。というのは業務のメールは一つのメールタイトルにやたらと長い履歴がついている。またメーラー(ぼくの会社ではMS OUTLOOKを使っている。)のデフォルト表示では新しいものが先頭に表示されるようになっている。

ところが人間の脳というのは

過去→現在→未来

と考える構造になっている。誰が小説の最後の章から読んでいくだろうか?

この設定、クリック一つで古いものから表示する設定にできるのだが、ここでもまた難点がある。

それはPC(特にノートPC)は画面サイズが小さいため、一度に表示できる行数が限られてしまうことだ。そのためメールを時系列的に読んでいる時に次の、あるいはその前のメール の先頭にスクロールするという余計な動作が入ってしまうため、メール(特に突然送られてきた履歴の長いメール)をストーリーとして把握する上で邪魔になる。また、後になって「あの内容はどこに書いてあったっけ?」と検索するのに大変な時間がかかる。これが担当しているテーマごとにあるわけだからメールライン全体を頭のなかに入れることは大変だ。特にぼくのように双極性障害Ⅱ型とその薬によって記憶力が低下している人間にとっては。

それに比べると自宅にあるiMacは画面が大きいので非常に見やすい!←余談です。

メールの書籍化

ぼくはこの問題に非常に長い間悩んできた。記憶力が低下するのはベンゾジアゼピン系の薬の副作用だが中断する訳にはいかない。だがその答えを与えてくれたのはなんとその薬を処方している主治医だった。

診察日、いつも彼がやっていることなのだが、カルテに日付スタンプを押した後、診察の最後にPCで打ち込んだ処方箋をプリンターで打ち出し、それの必要な部分だけをハサミで切り取り、カルテに貼り付けて、処方が変わった部分を矢印をつけていた。例えば、

処方減 ↓

処方増 ↑

追加  New

と言った感じだ。

ぼくは「これだ!」と思った。そして早速近所のスーパーでルーズリーフバインダーとスティックのり、ハサミ、そして日付スタンプを買い込み、会社で一日かけて取り組んでいるテーマのメールを75%縮小してプリントアウトし、必要な部分だけをハサミで切り取り、時系列にルーズリーフに貼り付けてみた。

75%に縮小するのは読みにくくない範囲内でページを節約するためだ。

するとどうだろう。まるで本を読むように頭にメールの流れが入ってきた。

次のメールや前のメールに移動するときもPCでは約10秒かかるが、このやり方だと1秒しかかからない。これは記憶したものを忘れてしまう影響を及ぼすほどのものではない。

そしてぼくはそれぞれのメールで重要なことや要約を余白にメモし、また貼り付けたメールにアンダーラインを引いたりしてひと目で分かるようにしている。

これはなぜかというとビジネスメールは話題が全く変わっているにも関わらず古いメールタイトルがそのまま使われていることが多々あるからだ。ぼくはこれを「賞味期限切れのメールタイトル」と呼んでいる。

まとめ

今回やっていることの共通点は、

「頭で覚えなければならないことを最小限にすること」

だ。

つまりPCで例えると外付けHDDに情報をどんどん保存し、その検索方法をやりやすくすることに集中する。

「めんどくさい」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、この一手間によってぼくの職場でのストレスは大幅に減った。

もちろん、まだまだ問題は抱えているけど。まあそれは後日の講釈で・・・。

 

(おわり)