双極II型障害と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極II型障害と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

周囲はあなたに100点を求めてはいない

今日は正直言って何について書こうか?と思っていた。

とは言っても書くネタが無いというわけではない。あっても何について書くのがいいのかが決まらない、ということだった。

で、最終的に決めたのが、ぼくが復職してから約4ヶ月、ここのところ好調に皆勤できている理由について書くということだ。おそらく同じ病、あるいはうつ、不安障害等を抱えている人にとって朗報になるかもしれないと思ったから・・・。

100点とは?

ご存知のようにいろいろな書物で書かれているが、双極性障害、うつ、不安障害、ADHDなどは自分に対してハードルが高い人が多いと言われている。

人から何かを頼まれた時、特に仕事で何か業務を与えられた時、期待に応えようと一生懸命仕事をする。それはそれでとてもいいことだと思う。しかしぼくはそれが原因でこの障害を発症し休職することになってしまった。もっともこの障害は遺伝の要素も高いと言われているので障害のせいで自分へのハードルが高いのか、ハードルが高いから発症したのか、についてはよくわからない。卵が先か鶏が先か・・・。

しかし復職したぼくがわかったのは

「世の中(上司、仲間等)は自分に対して決して100点満点の答えを求めてはいない。それよりもスピードが重視される。」

ということだった。

フェルミ推定

みなさんは「フェルミ推定」というのをご存知だろうか?これは核分裂現象を発見し「原子力の父」と言われノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミという人がシカゴ大学の学生に出題したのが始まりと言われている。その内容は、

「シカゴ市内でピアノの調律師は何人いるか?」

というものだった。制限時間は90分。

ここで前提条件として与えられたのは、当時のシカゴの人口は300万人、ということだけ。

皆さんは答えられるかな?

ほとんどの学生が途方に暮れる中、一人の学生がわずか10分で答えた。

「約130人です。」

実際にはもう少し多かったようだが、答えは「当たらずしも遠からず。」だったらしい。

この謎解きについては以下の通り。

【前提】シカゴの人口は300万人である。

  • 一世帯を三人と「仮定」する。
  • すると世帯数は100万世帯。
  • ピアノを持っている世帯を10世帯に1世帯と「仮定」する。
  • すると10万世帯がピアノを持っている。
  • ピアノの調律は一台あたり年一回と「仮定」する。
  • すると年に10万台が調律が必要となる。
  • ピアノの調律師は一日あたり3台のピアノを調律すると「仮定」する。
  • ピアノの調律師は週休二日、年に250日勤務すると「仮定」する。
  • すると一人が一年で調律できるピアノの数は750台となる。
  • すると10万台のピアノを一年で調律するには133人(100,000÷750=133.33)が必要となる。

100点主義の弊害

回答の正誤はともかく、この与えられた条件、「シカゴの人口は300万人である」という情報だけであとは「当たらずしも遠からずの仮定」だけで推論を進めていく。これがフェルミ推定である。正解を100点とした場合、75点ぐらいだったらしい。

ここまでの読者さんは「なんだ、結局間違ってるじゃん。」と思うかもしれない。確かにそのとおり。実際フェルミ推定での回答と正解との誤差は35%程度、と言われている。言い換えれば65点だ。

しかしここで注目してほしいのは「10分」という速さだ。実際の世の中では「一週間かけて出てきた正解」よりも「30分で出てきた『正解に近い答え』」が求められている。これはみなさんも感じたことがあると思う。世の中は我々に対して決して100点を要求してはいないのだ。

言い換えれば、

「回答は65点でいい。」

ということだ。

さらに100点満点の回答を準備しようとすると長い時間がかかる。それはあなた自身をますます不利な立場に追い込んでいく。なぜなら相手の期待がそれだけ高くなるからだ。100点の回答を出すのは永遠に無理なのに・・・。

でも65点の回答だと上司が怒るのでは?と思うかもしれない。しかしぼくはそれはまた65点の回答をブラッシュアップしてくれることになる。それを繰り返せば答えはどんどん正解に近づいていく。複数の人の意見の食い違いは早いうちにどんどん出したほうが後でうまくいく。

つまり、

「自分の思うこだわりを捨てて65点主義で生きる。」

これがぼくが得た回答だ。

おまけ

今日は通院日だった。待ち時間の約15分、ぼくはフェルミ推定を使って「日本全国の精神科病院(個人クリニック含む)は何件か?」をやってみた。知っている情報は「日本の自殺者の数は一年あたり約30,000人」ということだけ。

長くなるので過程は省くが、答えは「約5000件」だった。

診察時に主治医に聞いてみたところ、正解は「約5500件」らしい。結構いい線だな、と主治医と大笑いした。

 

(おわり)