双極II型障害と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極II型障害と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

世界一不幸な人の人生

世界一不幸な人って?

この病気を患っていると時々、「私は世界一不幸だ。」という人に会うことがあるんですな。特に病院で話をしているとね。

「世界一」というからには世界でたった一人なんだろうけど、今まで10人ぐらい、「世界一不幸」という人に会ったことがあります。

でもひょんなことからある双極性障害の人のことを知った時、同じ病気を持つぼくでさえ、「うわ〜!」と思った人がいる。

その人の経歴は以下の通り

世界一不幸な人の人生

  1. 1809年にアメリカのケンタッキーの貧しい丸太小屋の家庭に生まれる。
  2. 親は無学な下層階級 X
  3. 9歳のときに母親を亡くす X
  4. 教育は貧しいため一年しか受けられなかった。無学をカバーするため独学するしかなかった。 X
  5. 1831年に事業が失敗 X
  6. 1832年に州議会議員選挙で落選 X
  7. 1834年に当選 ○
  8. 1835年には恋人を腸チフスで亡くす X
  9. 1836年に双極性障害を発症 X
  10. 1838年に弁護士議長選挙に落選 X
  11. 1840年に大統領選挙人に立候補するも落選 X
  12. 結婚するも夫婦仲がうまくいかず、ノイローゼに X
  13. この年に双極性障害が悪化 X
  14. 1843年に寛解したものの、下院議員選挙に落選 X
  15. 1846年にやっと下院議員に当選 ○
  16. 1850年には再度下院議員選挙に落選 X
  17. 1850年上院議員選挙に落選 X
  18. 1856年に副大統領指名選挙に落選 X
  19. 1856年に上院議員選挙に再び落選 X

彼はここまで、それこそ「私は世界一不幸だ」と言っても誰も反対できない人だったかもしれない。彼の人生の20近くの主なイベントでの成功したのはたった二回。何という打率だろう!

これでは「自分は世界一不幸だ。」と言い切る資格があるかもしれない。

事実彼は双極性障害をこじらせ、希死念慮、生きる意味を失い、友人のすすめでケンタッキーに戻り静養している。

ところがこの人の名前を世界で知らない人はいないと思う。その人の名は第16代アメリカ合衆国大統領である、

エイブラハム・リンカーン

だ。

彼の人生の続きをいうと、

 

 

双極性障害が持つ類まれなる長所

リンカーンに限らず、双極性障害を抱えつつも歴史に名を残した英雄は多い。そこには双極性障害が持つ類まれなる能力があるんだとか。

ぼくもそうだけど双極性障害ってほんとうにしんどい。時々ぼくは自分の生まれの不幸を呪いたくなることがあるぐらい。

自分の能力のなさに情けなくなったりすることは日常茶飯事だよ。

「こんな自分は死んだほうがまし」という思いと、「死んじゃだめだ!」という自分の理性が血みどろの戦いを演じている、と言ってもまだ言い足りないと思う。

リンカーンもきっとそうだったに違いない。しかしそんな彼に「アメリカ合衆国史上最も偉大な大統領」という名誉を与えたのは双極性障害が持つ「自分への自信のなさ」だった。

彼は自分の病気が自分を成功へ導いてくれると思わなかった。むしろ自分は気分屋で、浮き沈みの激しい病気だということ知っていた。それ故に周りの反対を押し切って自分一人で意思決定を行うことは殆どなかった。

それが皮肉にも彼をして自分の周りに有能な人物を集めることに成功させた。そして「人を憎む代わりに自分を責めてしまう。」という双極性障害の症状でさえ、以下の大統領再就任演説に「アメリカ合衆国の再結成のメッセージ」あらわれている。

「この南北戦争は,誰もがしたくなかったのに起こりました。奴隷制度がその原因です。戦争が始まった時、南部も北部も戦争がこれほど長引き、これほど激しいものになるとは考えてもみませんでした。南部も北部も正しいのは自分達であって、神様も自分だけの味方であると思っていたのです。しかし今となってみると、神様は南部にも、また北部にも味方はしていなかったのです。この戦争は、奴隷制度を持っていたアメリカに対して、神様が与えた天罰であり、恐ろしい試練であります。私達にできる事は、この天罰が少しでも早く終わるように祈る事だけです。この戦争では、誰も悪いのではありません。ですから、どんな人にも悪意を抱かず、どんな人にも慈愛の気持ちを持ち、神様が私達に教えている正義を固く守りましょう。この戦争で傷ついたすべての人を労わりましょう。全ての人の平和のために努力しましょう。」

 話は前後するが、彼がケンタッキーで静養していた時、友人にこんなことを言ったとか。

「ぼくは今死ぬことができたらどんなにうれしいか、と思う。その反面、人間は生まれた以上神の目的のもとに生まれたのであってそれを達成するまでは生きなければならない、とも思う。」

ぼくは自分が生まれてきた意味は未だにわからない。リンカーンのように大変な時代の中で生きているわけでもないし、せいぜい日々の仕事で悩む程度の生活だ。

しかし、ひょっとしたら双極性障害の持つ「良い点」が現れてくれたらなあ、と思う今日このごろなんですね。

少しでも元気に生きられればいいな・・・。

 

(おわり)