双極性障害2型と生きる いつも上を見上げて 

うつ→双極性障害2型と闘いながら社会人やってます。時々ズッコケますが何とかやってます。この病気を一人でも多くの人に知ってもらいたいです。

【カミングアウト】人生の転機

日曜の午前の謎

ぼくとセイラはその後もごく普通の付き合いだった。

しかしそれが徐々に変わってきた。

ぼくが日曜にどこかに出かけようと言うと、彼女は決まって、

「日曜の午後ならいいよ。」と言うようになったのだ。

はじめは「まあいいか。彼女にもプライベートな時間はあって当然だよな。」と思っていたのだが、そのうち日曜の午前中は必ずデートもできなくなってきた。もっともぼくは日曜の午前中は寝ているのでほとんど支障はなかったが・・・。

でもぼくは改めて聞いてみた。

「日曜日の午前中はどうしてダメなんだい?」

すると彼女は少し切り出すのに躊躇したようだが、こう言った。

「マイク、怒らないで聞いてくれる?」

ぼくは少し覚悟を決めて「うん。」と言った。

すると彼女はこう言った。

「あたし、教会に行っているの。クリスチャンになろうと思ってるの。」

セイラの悩み

彼女は言った。

「あたし、看護師になろうと思ってるんだけど、ほんとに自分は看護師にふさわしいんだろうか?って最近思うようになったの。なんだか自分が本当に人の命に関わってもいいのかな?って。それで夏から教会に行き始めたの。特に隠すつもりはなかったんだけどマイクに言ったら『やめろ』って言われるんじゃないか?って。それで言えなかったの。ごめんね。」

ぼくは混乱した。もし彼女がクリスチャンになったらぼくたちの付き合いはどうなるのだろう?おちゃめで笑い上戸で明るいセイラは堅苦しくて毎週日曜日に教会に通い、清楚だがぼくとは全く釣り合いの取れない女になってしまうのではないだろうか?今から思えばなんとも俗っぽい考えだが、その時は正直そう思った。

しかしぼくは思った。

「神様相手じゃ勝ち目はない・・・。」

セイラの変化

その後、彼女は洗礼を受け、名実ともにクリスチャンとなった。そして彼女は変わっていった。だがそれはぼくが心配したものとは全く違うものだった。

彼女はもともと世話好きだったが、ますます人の心の痛みが理解できる様になった。しかも相手が必要としている助けを、必要としているときに与えることが出来るようになった。それも押しつけがましさはまったくないといったかんじで。

さらに彼女自身の中に自信が生まれ、しかもその自信のなかには謙虚さと優しさが満ち溢れているようになっていったことをぼくは認めざるを得なかった。

「セイラの中に何が起こったのだろう?」

正直ぼくはそう思わざるを得なかった。

ぼくの疑問

それからややしばらくして、ぼくはセイラに切り出した。

「一体何が君をそんなに変えたんだい?」

セイラは言った。「何が?」

ぼくは言った。「だって君はクリスチャンになって明らかに変わったよ。それは君と一番近い距離にいるぼくが一番良くわかる。なんていうか、ぼくの持っているクリスチャンのイメージというと真面目で堅苦しくて融通がきかない、そんなかんじなんだけど、君はまるで違う。ますます人間味が増して優しさが溢れている。ユーモアのセンスやおちゃめなところは前と変わんないけどね(笑)。」

セイラは「そうかなあ。自分では変わったとは感じないけど、イエス様が心のなかにいる、っていうのは大きな変化だよね。もし気になるんなら教会に来たら・・・。そうだよ!マイク、一緒に教会に行こうよ!今度ね、若者向けの特別集会があるの!来てきて!」

でもぼくは正直気が向かなかった。なぜならぼくはヘビースモーカーの大酒飲みだったし、何よりも教会の礼拝が行われている午前中の早起き、というのができなかったからだ。

しかし一体何が彼女をこんなに変えたのか?ぼくはそれを確かめたかった。そのためにはその若者向けの集会に行ってみることにした。

(おわり)